多くの業種業界でさまざまな種類のCADソフトが利用されています。代表的な『AutoCAD』や『Vectorworks』、また、建築設計などの分野でよく「JW」といった単語で呼ばれているフリーウェアの2DCAD『Jw_cad』などがあります。
これらのCADソフトは、”DXFデータ(.dxf)” を利用することで互換することが可能です。
CADに限らず、何らかのアプリケーションを使って、とくに外部の取引先とデータのやり取りをするときの身につけている知識として、ここでは”DXF” についてご紹介します。

DXFとは?

”DXF” とは、AutoCAD に代表されるCADソフトを開発しているオートデスク社が開発したファイル形式のひとつです。
AutoCAD同士、また、同じ種類のCAD同士でデータやり取りする場合はオリジナルの拡張子データで問題ありませんが、異なるCADでのやり取りには、DXF形式(.dxf)に変換しておくことが一般的です。

DXF とAutoCAD バージョン

AutoCAD の様々なバージョンに合わせて、DXFにもいくつかのバージョンがあります。
(一部抜粋)

コードAutoCAD バージョン
AC1032AutoCAD 2018
AC1027AutoCAD 2013/LT2013
AC1024AC1024 AutoCAD 2010/2011/2012
AC1021AC1021 AutoCAD 2007/2008/2009
AC1018AutoCAD 2004/2005/2006
AC1015AutoCAD 2000/LT2000
AC1014AutoCAD R14/LT97/LT98
AC1012AutoCAD R13/LT95
AC1009AutoCAD R12/LT2/GX-5

さまざまなDXF形式

先項目にあるAutoCAD バージョンの他に、拡張子が同じ.dxf でも、異なる形式のDXF が実は存在します。その理由として、このDXF のコードがオープンにされているため、多くの場面で独自に中間ファイル形式として利用されることになった経緯があります。
オープンであるが故に、CADメーカーが勝手に利用しており、CAD毎に扱っているデータの種類も構造も異なるため、100%の互換性はありません。
これが、縮尺や線幅線色情報、文字化けをはじめ、データの抜けなどが発生する要因となっています。

アパレルCAD のDXF形式

アパレル分野で利用されているアパレルCAD 同士の互換には、

  • TIIP(全日本婦人子供服工業組合連合会規格)
  • AAMA(American Apparel Manufacture Association)
  • ASTM(アメリカ工業規格)

上記など形式(規格)のDXFが多用されており、一部のCAD では、AutoCAD やAdobe Illustrator から書き出される汎用DXF(Standard DXFファイル)を読み込むことができます。