業種・業界によっては、Adobe Illustrator(イラレ)で図面を作成し、そのデータをCADに取り込んで引き続き設計作業を行うケース(イラレのCAD化)が増えています。この時、CAD標準のファイル形式である「DXFデータ」に変換する必要があります。
また、木工や金属・アクリル加工、アパレルなどでは、イラレでデザインデータを作成した後にカッティングなどの加工工程がありますが、この場合も、CAD/CAM や加工用ソフトにデータを取り込むために「DXFデータ」を必要とすることがあります。
このように、”DXF” を必要とする場面が少なくありません。

ここではイラレAIデータをDXFに変換する方法を3つご紹介します。

イラレ側のDXF変換機能を使って変換する

Illustrator自体にもDXF変換機能があり、下記の手順で書き出すことができます。
ただし、書き出せるDXFのバージョンがR13以上なので、CADやCAMによっては書き出したDXFが読み込めないこともありますが、イラレさえ持っていればできる手軽な方法です。なお、アパレルの型紙を書き出す場合は少し手順が異なるので、そちらもご紹介します。

イラレ側のDXF変換方法

  1. イラレの「ファイル」メニューから「書き出し > 書き出し形式」を選択。
  2. ファイル形式から「Autodesk RealDWG (dxf)」を選択して「書き出し」をクリック。
    ※Illustratorのバージョンによっては「AutoCAD Interchange File (dxf)」
イラレ側のDXF変換方法1
イラレ側のDXF変換方法2

アパレル業界向けイラレ側のDXF変換方法

イラレで変換(書き出し)したDXF ファイルを国内メーカーのアパレルCAD で読み込む場合は、以下の手順をお試しください。尚、アパレルCAD 側でのイラレで変換したDXF の読み込み方法につきましては、CAD メーカーご担当者様までお問い合わせいただけますようお願い致します。

《アパレルCAD 向けイラレ変換手順》

  1. 必要なパターンを選択(コピー)。
  2. 新規ファイルをA4縦置きで作成。
  3. コピーしたオブジェクトをペースト。
  4. レイヤーをひとつに纏める。→全てのレイヤーを結合。
  5. 文字は全てアウトライン化。→書式>アウトラインを作成。
  6. アウトライン化した文字はグループ化される為、解除。→オブジェクト>グループ解除。
  7. ファイルメニュー>書き出し>AutoCAD Interchange File (dxf) ※バージョンによっては ”Autodesk RealDWG (dxf)”
  8. DXF/DWGオプションはデフォルトのままOKボタンをクリック。

上記手順でイラレから汎用DXFの書き出しを実行する。

オンラインコンバータを使ってDXF変換する

2つ目は、無料でファイル形式を変換できるオンラインサイトを使う方法です。イラレを持っていないけれど、変換だけ必要な場合に便利です。ブラウザ上にAIファイルやDXFファイルをアップロードするだけで自動変換してくれるので、簡単でコストもかかりません。

しかし、頻繁に変換する場合にはやや面倒なことと、ファイルをサイトにアップロードするのでセキュリティ面での問題、変換精度などの問題があるので、仕事で使用するには少し不安かもしれません。

Illustrator用プラグインを使ってDXF変換する

Illustrator用プラグインとは、Illustratorに機能やツールを追加できるソフトウェアのことです。AIとDXFの変換機能のプラグインをインストールすれば、イラレからダイレクトに精度の高いDXF変換ができるようになります。
イラレが必要である点と、プラグインを別途購入する必要があるのでコストはかかりますが、上記2つの方法ではうまくいかない場合や、仕事で本格的に使用する場合にはおすすめです。

イラレAIとDXFの変換プラグイン 
EXDXF-Pro

特に、書き出したDXFがCAMやCAD(JWCadなど)でうまく読み込めない場合は、DXFのバージョンが合っていない可能性があります。AIとDXFの変換プラグイン「EXDXF-Pro」なら、互換性のある「R12形式」で書き出すことができます。また、イラレの「書き出し」コマンドから直接DXF形式を選んで書き出せるので手間がかからず、セキュリティの心配もありません。ぜひお試しください。