Adobe Illustrator から書き出したDXF をCAD に読み込んだ時に、日本語表記が文字化けするという場面に遭遇したことはありませんか。
理由は、以下の2つの事象によるものです。

  • Adobe Illustrator 標準機能で書き出されるDXF ファイルの文字コードが”UTF-8” になること
  • 読み込み側のCAD が ”Shift-JIS” の文字コードに対応している(UTF-8 非対応である)こと

この場合の対処方法としては、Adobe Illustrator(以下、イラレ)から書き出されたDXF データをテキストエディタアプリなどで ”Shift-JIS” に変換するひと工程を加えていただくことで、文字化けが解消される可能性がありますのでお試しください。

アパレルCAD でのDXF ファイルの読み込み

ここでは、アパレルCADのひとつ、クレアコンポ(パターンマジック)でのDXF ファイルの読み込みについて説明します。

前記の通り、イラレ標準機能で書き出したDXF ファイルは文字コードが”UTF-8” になり、そのDXF をクレアコンポで読み込むと文字化けすることがあります。但し、イラレでのデータ作成時に日本語を使用せずに半角英数のみ使用した場合は、文字化け問題は確認できないかもしれません。

文字化け発生時の対処方法

文字化けが確認されたDXF ファイルの文字コードを確認し、”UTF-8” だった場合は、”Shift-JIS” に変換していただく必要があります。
(文字コードはテキストエディタアプリでご確認ください。)

もう一つの方法としては、イラレ向けDXF 変換プラグイン『EXDXF-Pro』を利用してイラレからDXF ファイルを書き出すことで、ひと手間加えることなく、文字コード”Shift-JIS” のDXF ファイルを書き出すことができます。

『EXDXF-Pro』DXF ファイル書き出し手順

文字コード”Shift-JIS” 対応のアパレルCAD に向けて、イラレ向けDXF 変換プラグイン『EXDXF-Pro』を利用したDXF ファイルの書き出し手順をご紹介します。

  1. イラレを起動
  1. イラレで作成したパターン.ai データを開く
  1. DXF 書き出し対象のオブジェクトを選択状態にしてコピー
  1. 新規ファイル(A4/縦)を作成
  1. 手順”3”でコピーしたデータをそのままペースト
    • A4 サイズからデータがはみ出した状態の侭にして下さい。 アートボードが『 A4/縦 』であることが重要です。
  1. すべてのレイヤーを一つのレイヤーに結合
    • ”レイヤー” パネルメニューボタン押下で「すべてのレイヤーを結合」を選択します。
  1. グループオブジェクトがないことを確認
    • イラレメニュー>オブジェクト のリストで、ファイル上にグループオブジェクトがないことを確認します。この時、”グループ解除” 項目がグレーアウトになっていれば、グループオブジェクトが無い状態です。
  1. イラレメニュー>ファイル>書き出し>”書き出し形式” を選択
  1. 名称を指定→”Drawing Interchange(DXF) (dxf)” を選択し”書き出し”
  1. EXDXF-Pro 書き出しダイヤログで設定し”OK” ボタン押下で書き出し

『EXDXF-Pro』書き出しダイヤログ設定

  • 左側のチェックボックスは下記の通りにチェックしてください。
  • 右側の数値及び選択項目を下記の通りにしてください。
    • 許容誤差は『0.1』と数値入力してください。
    • 変換設定は『ポリライン』『ポリラインと円弧』『ラインと円弧』から選択
      • まずは『ポリライン』を選択してDXF を書き出してください。CAD 側でその データが読み込めない(キレイなデータで読み込めない)場合は、『ポリライ ンと円弧』や『ラインと円弧』でDXF を書き出してください。相手CAD によって、変換設定の選択項目を変更していただく必要があります。