Adobe Illustrator用 バーコード作成プラグイン「Serial Barcode」
~ GS1 databar (旧称:RSS) ~ Part.4前回に引き続きGS1 Databar (旧称:RSS)についてご説明していきます。
前回はExpanded 形式をご説明しました。
今回はStacked についてご説明致します。
【 GS1 DataBar Stacked】
「GS1 DataBar Stacked(多層型)について」
GS1 DataBar StackedはGS1 DataBar Omnidirectionalを半分に分けて、上下2段に積み重ねたシンボルです。上段にトリプレット(データキャラクタとファインダパターンのセット)を、下段に右トリプレットを配置したものです。Stacked型には基本となるGS1 DataBar Stackedの他に、Omnidirectionalを2段形式にしたGS1 DataBar Stacked Omnidirectional、2段から11段まで分割可能なGS1 DataBar Expande Stackedがあります。
「GS1 DataBar Stackedの特性」
印字スペースがきわめて少ない商品等に対応するため、Trucated型のコードの第2、第4データキャラクタ間で段を区切り、2段に積み重ね、幅居を小さくしたバーコードです。定置式POSでは読取が出来ないため、Trucated型 同様現在のところ標準化の対象外となっています。そのため、一般消費財には利用出来ません。
なお、Stacked Omnidirectional型は主として果物などのバラ売り用に開発され、Stacked Expanded型は、印字幅に制限がある場合に対応するために、GS1 DataBar Expandedを多段シンボルにしたものとなり、どちらも定置式POSでの読取が可能であり、2010年に標準化シンボルとなっています。
「GS1 DataBar Stackedの構成」
モジュール数は50モジュールで、バーの高さは上段5モジュール、セパレータパターン:1モジュール、下段:7モジュールの13モジュールになります。ガードパターとファインダパターンは、いずれも上下で逆になり、ガードパターンは上段は左に1モジュールのスペースとバー、右にバーとスペースが置かれ、下段は左に1モジュールのバーとスペース、右にスペースとバーになります。ファインダパターンは上段が左から右に、下段は右から左に配置されます。
また、上段と下段の間に1モジュール分、セパレータパターンが設定されています。上下が同じ色になる場合は、白黒反転の色とします。上下が違う色の場合は、左にあるセパレータパターンのモジュールの白黒反転の色とします。端の4モジュール分は常にスペースとなっています。
「GS1 DataBar Omnidirectional Stackedの構成」
モジュール数は50モジュールで、バーの高さの最小値は上段33段:セパレータパターン、3モジュール:下段33モジュールとなります。名前の通り、Omnidirectional型を2段形式にしたもので、間にある3モジュール以上のセパレータパターンで分離されています。ガードパターン、ファインダパターン、データキャラクタはStacked型と同じです。
Omnidirectional Stacked型のセパレータパターンは、3段の列で構成され以下のようなルールがあります。
・1段目(上段)は、接しているシンボルのバー及びスペースの反対色(白黒を反転したパターン)になっています。*但し、ファインダパターンのエレメント1,2,3に接している13モジュールは例外です。これに関しては、隣接するファインダパターンがバーならば白、スペースならば黒と白を交互に並べます。
・2段目(中断)は、両端モジュールを除いて、1モジュールごとに白と黒が入れ替わるようになっています。
・3段目(中断)は、下にあるシンボルと反対色(白黒を反転したパターン)になります。*但し、ファインダパターンのエレメント1,2,3に接している13モジュールは例外です。これに関しては、隣接するファインダパターンがバーならば白、スペースならば黒と白を交互に繰り返します。
・Stacked型同様セパレータパターンの両端の4モジュール分はスペースとなります。
「GS1 DataBar Expanded Stackedの構成」
2段から11段まで分割することが可能なシンボルです。印刷の都合上横幅が少なく、1行で印刷ができない場合に使用します。Expandedがコンポジットコードの一部である場合には、1段目には少なくとも2つのトリプレットを持つ必要があります。それぞれの段には、左右にガードパターンがつきます。また、シンボルキャラクタが奇数個の場合は、最終段にファインダパターンの隣にガードパターンがつきます。
セパレータパターンは、3つの列で構成され、次のようなルールで作成されています。
・1段目3段目は、シンボルのバーおよびスペースの反対色になっています。
・ファインダパターンのエレメント1,2,3に接しているセパレータパターンの1段目、3段目は、接しているエレメントがバーの場合は白黒反転したパターンとなり、スペースの場合は黒、白、黒、白と1モジュールずつ入れ替わりで並びます。
・2段目は1モジュールごとに黒白が入れ替わります。
・端4モジュール分はスペースとなります。
Stacked型はいずれも、小スペース向けに使用可能なバーコードです。Stacked型のみ標準化されておりませんが、いずれも用途に応じて使い分ける事が可能です。
なお、SerialBarcode上では
「GS1 DataBar Stacked」を「GS1-14 Stacked」
「GS1 DataBar Omnidirectional Stacked」を「GS1-14 Omnidirectional」
と表示しております。
次回はその他のGS1 Data Barと、GS1 Data Barの現状と今後をご紹介致します。